宇宙難民船に偽装した連邦の秘密輸送艦アイダホからコンテナが三つ、大気圏に突入してきた。それは、連邦軍の秘密兵器、「D型兵器」というシークレットコードで呼ばれるものであった。
海上にに着水したコンテナを回収したのは、統合軍の空母プロメテウス。大量の航空機動兵器、バルキリーを、マクロスシティに移送中であった。
連邦軍も統合軍も共に地球の軍隊でしたが、連邦軍が厳密に言えばアメリカとか日本とかの国家単位の集合体であるのに対し、統合軍は超国家的な地球規模の軍隊でしたが連邦軍と統合軍は現在合同で作戦行動を取ることは稀だが、月の勢力がギガノスと名乗り、独立国家を形成し、地球に戦いを挑んできたので、今ではお互いが協力し合っているのでした・・・。
「軍曹、今までお世話になりました!ケーン・ワカバ三等空士、これにて除隊させていただきます!」
「同じくタップ・オセアノ三等空士」
「ライト・ニューマン三等空士、大変お世話になりました!」
「ムウ・・・お前達がいなくなると寂しくなる。お前達は偶然D型兵器に登録させられちまったが、地球までの移送にはお前達の力あってのものだった。俺はお前達を誇りに思ってるよ」
「なんだかいつもの軍曹じゃないみたいだな。ま、でも軍本部にはドラグナーの登録を解除するコンピューターがあるんだし、これで俺達は軍人をやめるんだから、マクロスシティでお別れパーティーでもやりましょうよ」
「そうだな、ひよっこども・・・もうすぐマクロスシティーに入港だ。そこではちょうどマクロスの進宙式が始まる予定だし、あちこち盛り上がってるだろう。パーッといこうじゃないか!」
「さすが軍曹!そうこなくっちゃ!」
「もちろんリンダちゃんやローズたちも呼んで」
「おお〜いいですなー」
ケーンやタップは喜んで賛成した。
「ヨォ、ベン軍曹!久しぶりじゃないか!」
「いやぁ、フォッカー少佐、お久しぶりであります!」
「二年ぶりだったかな?お、そいつらは?」
「こいつらが例のD型兵器のパイロットですよ。ようやくコンピューターの登録が抹消されて除隊できるってんで、サヨナラパーティーというわけでして」
「ああ?せっかく軍人になったのにやめるだとぉ?」
「はいっ!俺達・・・いや、自分たちは、偶然ドラグナーに登録されてしまったのでありまして・・・」
「まぁいい、まぁいい、おーい、輝!ちょっとこい」
「なんですか、先輩?」
「こいつは一条輝。アクロバット時代からの後輩でな、なかなかの腕前だ。こいつもいずれは軍隊に入れようと思ってる」
「ええ!?先輩、冗談じゃないですよ、俺軍隊なんて・・・」
「馬鹿!戦闘機に一度乗っちまったらお前のプロペラ機なんぞはなぁ・・・」
「ジェットに改造したんスよ」
「んなこたァどうだっていい!お前も一度乗ってみりゃわかるさ、民間機と戦闘機は全く違うんだ。アマチュアの大会で少しばかり優勝したからっていい気になるんじゃない。なぁ、ワカバ三等空士?」
「そーですそーです!なんてったって軍の最新式のメカはすごいですよ」
「俺達みたいな素人が乗っても大活躍しちゃうぐらいだもんな」とタップがいった。
「まぁ、軍隊なんかごめんだってのは同意だけどな」ライトは肩をすくめた。
「やれやれ、なんて奴らだ・・・」軍曹は溜息をついた。
「一回乗って見りゃ分かる。よし、輝、ついてこい。特別に乗せてやる」
「えー先オパイ、いいんですか、そんなことして」
「つべこべ言わずについてこい!」
フォッカーに強引に引き連れられて輝はいってしまった。入れ違いに料理が出てきた。
「まぁ、美味しそう!」リンダが喜び、ケーン達も食事に夢中になった。
「ここの中華料理屋、料理も最高だが見ろよ、あの女の子、すごいカワイイぜ?」
ライトが指さすと、髪の長い女の子が料理を持ってきた。店で働いているリン・ミンメイという少女らしい。
「おれはローズの方が可愛いな」タップはそういい、ケーンも「俺だってリンダちゃんの方が・・・」といった。
「式典開始まであと15分・・・。」
「早瀬中尉、グローバル艦長が会場にお見えです」
「バルキリー隊の授受、デストロイド隊の配備、宇宙軌道上のアームド1,2との合体、それからD型兵器の移送・・といろいろ気苦労が絶えないわね、艦長も」と言ったのは黒人のクローディアだった。実はフォッカーの恋人である。
早瀬美沙は士官学校を首席で卒業したメインオペレーターで、このマクロスに着任した。
「早瀬中尉、月機動上のアームド1から入電。月面からギガノスのマスドライバー発射との警報が!」シャミーが連絡を取り次いだ。
「急いで艦長を呼び戻して!」
「な、なによこれ!」
「どうしたのクローディア?」
「見てよこれ、修復前のシステムが急に動き出して・・・大変、発射態勢にはいった!?」
マクロスの主砲が、急遽発射態勢に入り出した。全システムをカットしても、それはとまらなかった!
「何が起こったのだ・・・あ痛!」とブリッジの入り口に頭をぶつけたグローバル艦長が記念式典をすっぽかして戻ってきた。
「主砲が、作動します!!!」早瀬美沙中尉が悲鳴を上げた。
その瞬間マクロスの艦首から主砲が発射された。目標は月から発射されたマスドライバーの巨大岩石。主砲が岩石を砕くとマクロスの制御は戻った。
「マクロスの主砲はマスドライバーの岩石以下、月機動上のギガノス勢力を大破・・・さらに後続の敵勢力多数接近中!」早瀬美沙は暗号電文を読み上げた。
「マクロスの自動防御システムが働いただと・・・ギガノスめ、仕掛けてくるつもりだな」グローバルはそういいながらパイプを加えようとするとシャミーがすかさず「艦長!ブリッジは禁煙です!」と注意した。
「ええぃ、わかっておる、加えただけだ!全巻第一級銭湯配置!」
すぐに月機動上では宇宙空母アームド1、2とギガノスとの戦闘が始まった。